PX 70 COLOR SHADE NEW VERSION TEST FILM(その2)
このフィルムは、撮影時の外気温と、撮影後の保温で結果がかなり異なる。明暗補正ダイヤルを変更しながら、5枚ほど撮影してみた。
撮影時の気温は、摂氏4度程度。良く晴れた日の順光での撮影である。
最初は、Impossibleのマニュアル通り、SX-70の明暗コントロールを暗側に目一杯回した状態での撮影である。露出計が平均測光のためか、メインの被写体のドアノブが暗く落ちて、ドアの木目のディテールが良く再現されている。しかし、全体に薄暗い印象で、見た目とはかなり異なる。
次に、暗側の3段目にセットしてみた。やはりドアノブの真鍮の質感が黒く潰れてしまっている。
暗側の2段目にセット。まずまずだが、順光を受けて光っているノブの色調が今一つだ。
暗側の1段目にセット。白く塗られた木製のドア部分は若干白飛びしているものの、メインの被写体である真鍮のドアノブの質感は良く再現されており、見た目に近い描写となった。握り玉の影の部分の調子も良い。
最後に、ノーマルな露出設定で撮影。悪くはないが、背景のドア部分が完全に白飛びしてしまっている。ドアノブだけを見ると、これでも良いが、全体のバランスは、暗側の1段目にセットした方が好ましいと思う。このあたりは、好みの分かれるところかもしれない。
それにしても、このテストフィルムは、粒状性が大変改善されている。現行のPX70では、とりわけ暗部に鱗状の現像ムラが顕著に見られたが、新バージョンのテストフィルムでは、そうした欠点が改善されており、滑らかな描写だ。是非、正式版でもこの性能を維持してもらいたいものだ。
因みに、このテストフィルムには、スペックとFAQを記した説明書が添付されていた。日本語訳が少し怪しい感じではあったが、初めて使う人にとっては参考になる。
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