昨日から、半蔵門の日本カメラ博物館で開催されている「ポラロイド・カメラ展」に行ってきた。平日の夕方だったので、館内はガラガラ。ほとんど「貸し切り」状態だった。
図録(表)
図録(裏)
JR代々木駅から見上げた超高層ビル。雲の調子と相俟って、何だかドラマチックな写真になった。ポラロイド・カメラの展覧会を見た後、ポラロイド・カメラで撮影をするというのも、趣があって良い。表紙と裏表紙のデザインがやや手作り的な印象の図録も売っていた。本文中の写真はモノクロだが、丁寧な解説が掲載されており、資料としては良くまとまっている。
展示されているのは、初代のLand Camera Model 95に始まり、パックフィルムを利用する100シリーズ、モノシート型のSX-70や600シリーズ、Spectra、Joycam、Oneシリーズと幅広く集められた約150点のポラロイド・カメラである。
医療・産業用の珍しいカメラや、記念モデルのゴールド仕様のものなど、普通は目にしないものも展示されていて興味深い。HOLGA用のホルダーや、ピンホールカメラも含まれている。
フィルムも、ほぼ全種類が展示されており、これだけでも圧巻だ。Model 95等に使われていたというロールフィルムの現物も初めて目にすることができた。
それにしても、Model 95の重厚感には圧倒される。写真でしか見たことがなかったが、こんなに大きく重そうなカメラだとは思ってもみなかった。
いずれも保存状態が良く、中には元箱が展示されているものもあった。また、開発中に試作されたモックアップモデルも展示されており、よくこれだけのコレクションを築き上げたものだと驚かされる。
聞くところによると、高名なコレクターが、同博物館にこれらのカメラを寄贈したのだそうだが、ここまで網羅的になると、ほとんど文化財である。
個人的に懐かしく感じたのは、35mm Instant Slide Systemである。カラースライドを5分ほどで作成できるという代物で、その昔、学会発表等の資料作りなどでお世話になったものだ。パワーポイントなどという文明の利器など存在すらしていなかった頃の話である。
惜しむらくは、アクセサリー類の展示物が少なかったことだが、そこまで望むのは贅沢というものだろう。カメラだけでも丁寧に見るとかなりの時間を要するほどの台数だからだ。
展示期間は、2011年の3/27までと長いので、興味のある方は是非、見学することをお薦めする。入場料は、たったの300円だ。
会場を出ると、3時過ぎで日は既に傾き始めていた。持参したSX-70に期限切れのTZ-Artisticを詰めて博物館の周辺を散歩しながら撮影。
博物館(左端のビルの地下一階)の隣には、なにやらバブリーな建物が。一階は高級洋菓子店、二階は会員制とおぼしきフレンチレストランが入っている。よく見ると、屋上庭園まで設えられており、大変ゴージャスな雰囲気だ。右端にちらりと日本家屋が見えるのが、ミスマッチで面白い。
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