PX70 Color Shade FF を屋外で試してみた。

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先日届いたばかりのPX70 Color Shade FF を屋外で試してみた。

このフィルムには、PX100/600のようなシビアな撮影温度の指定はないが、猛暑の東京で使うには、多少の工夫と試行錯誤が必要となった。まず自然体(露出補正なし)で一枚。順光の被写体で撮影時の気温は32度Cを超えている。

20100807-1.jpgまずまずだが、やや露出過多の印象だ。 そこで次の被写体ではマイナス側(黒側)に1目盛り補正してみた。

20100807-2.jpg日陰のショーウィンドウに炎天下の風景が映り込んでいる。概ね良好な結果となった。全体に青みがかっているところが古の70フィルムを彷彿とさせる。

では、真夏の空を撮るとどうなるのだろうか。上記の結果をふまえて、マイナス側に2目盛りの補正をかけてみた。

20100807-3.jpgこれまた正解。この時点では気温は33度Cを超えていると感じられたが、ほぼ狙った通りの発色となった。画面の下部にダークブルーの部分があるが、これは後述の「Cardboard Lightshielder」の一部が写り込んでしまったもの。


20100807-4.jpg日陰の扉の一部。南に面しているので、前面道路の照り返しを受けている状況だ。これはマイナス1目盛りに補正。


20100807-5.jpgショーウィンドウに映り込んだ通りの反対側のビルとSX-70を構えた撮影者、それに店内の商品や飾り付けが重層的に写っている。マイナス1に補正。明暗のレンジはかなり広いが、それなりに再現されているようだ。このフィルムのラティテュードは、かなり広いと思われる。因みにピントは、画面中央のレトロな赤い自販機に合わせてある。

という訳で、PX70でも撮影時の温度の影響を若干受けるような印象であった。ただしカメラの露出計の誤差や、被写体の特徴、微妙な光線状態にも左右されることは当然考えられる。あくまで特定の機体での結果だということをお断りしておく。

最後に前述の「Cardboard Lightshielder」について一言。IPのHP上では、「撮影後直ちに遮光すること」という注意書きが書かれている。とりわけ最初の10秒間が「決定的に重要」とのこと。

とはいえ、SX-70はそんなことはお構いなしに、感光面を上向きにしてフィルムを自動排出してしまう。そこで、IPでは、「Cardboard Lightshielder」というテクニックを紹介している。

何のことはない、黒い厚紙でシェードを作成し、排出されたフィルムに外光が当たらないようにするというだけの工夫だ。HPで解説されている方法によらなくても、フィルムのプロテクティヴ・シートが二三枚あれば簡単に自作できる(Spectraサイズのものが大きめなので良い)。

ただし、注意をしないとレンズの下に突き出したこのシェードが画面の下部に写り込んでしまう。SX-70のファインダーは、実際に写る範囲よりやや内側までしか見えないので留意する必要がある。

なにはともあれ、SX-70で再び新品のカラーフィルムを使うことができるというのは、大変に喜ばしいことだ。しかも、PX100/600と比較すると、多少の手間はかかるものの、撮影時の許容条件は、かなり寛容であるようだ。本命中の本命となるであろうこのフィルムが、さらに改良され継続的に供給されることを期待したい。

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