PX70 Color Shade は、撮影後の遮光が画質を大きく左右するとのことで、皆さん色々とご苦労されているようだ。Impossible Projects のHPでも遮光方法について紹介されている。しかし、日射しの厳しい日本の夏では、直接光だけではなく、間接光も遮光しないと良い結果が得られないのではないかと思い、身の回りのものを利用したオリジナルの遮光方法を試してみた。
実に簡単な方法ながら、予想外の効果があったので、以下に詳細と撮影結果について紹介する。
作り方は、実にお手軽である。まず、PDA などの端末を収納する slip-on タイプのケースを用意する。
今回は、たまたま手元にあった黒い革製のケースを利用することにした。因みに、この中に入っているレトロな端末について興味のある人は、こちらを参照のこと。
このような袋状のケースに600フィルムのプロテクティヴシートをテープで貼り付ける。
なんだか雑な仕事で恐縮だが、とりあえず実験なのでご容赦を。革ケースから3cmばかり張り出して貼り付けるのがコツである。
これを以下のようにSX-70本体に取り付ける。
プロテクティヴシートを、SX-70の斜めの銘板とレンズ装着部の間に数ミリ挿し込むようにする。真横から見ると以下のようになる。
革ケースの開口部がSX-70のフィルム排出口を挟むように取り付ける。そして、左手でカメラを支える際に、人差し指と中指で、革ケースの下端部を押さえて固定する。
シャッターを切ると、フィルムは革ケースの内部に排出される。右手の指で上下から軽く押さえてケースを引き抜いて裏返すと、フィルムは以下のような状態で裏面の一部がケースから出ているはずだ。プロテクティヴシートを革ケースからはみ出す形で貼り付けるのは、このためである。
フィルムの端部を指で押して、ケースの中に落し込む。ケースの左右は縫製されて閉じられているので、撮影後のフィルムには、直接光も左右からの間接光も当たらない。また、もともと厚みのあるものを収納するためのケースなので、フィルム4枚程度は問題なく格納できる。
さて、肝心の結果だが、全く露出補正をかけなくても良い結果が得られた。前回、このフィルムを試した際には、若干アンダー気味に補正しないと、露出がオーバーになってしまうように思われたのだが、どうやらそれは、間接光によるカブリの影響だったようだ。フィルム面全体がシェードの脇から入る間接光に晒されてしまうのが原因だろう。
今回の方法を用いるとシェードの脇からの間接光は、ほぼ完全に遮断できるので、色乗りが明らかに改善されていた。以下に数枚の作例を示す。
淡い色彩ではあるが、全体的にコントラストが向上している。
注目すべきは暖色系、とりわけ赤の再現性が良くなっていることだ。このフィルムは、撮影後の遮光が不十分だと、赤の発色が低下して全体的に青っぽい仕上がりになるらしい。
かといって、寒色系の被写体は、それなりの表現となる。コンクリート打ち放しの壁も、白飛びしてはいない。
空の色も、前回と比較すると若干ではあるが色の濁りが少なくなっているようである。
もちろん屋内の人工光での撮影での結果も改善している。赤とオレンジとの区別がはっきりとしており、フィルムパッケージの色の再現性も向上しているようだ。
以上のように、お手軽な割には良好な結果が得られた。本当は、フィルムの遮光性能自体が向上するのが一番なのだが、ファーストバージョンがリリースされたばかりのPXフィルムでは、しばらく時間を要するだろう。それまでの間は、各自の創意工夫で試行錯誤してみるというのも、このフィルムとの付き合い方の一つだと思う。
実に簡単な方法ながら、予想外の効果があったので、以下に詳細と撮影結果について紹介する。
作り方は、実にお手軽である。まず、PDA などの端末を収納する slip-on タイプのケースを用意する。
今回は、たまたま手元にあった黒い革製のケースを利用することにした。因みに、この中に入っているレトロな端末について興味のある人は、こちらを参照のこと。
このような袋状のケースに600フィルムのプロテクティヴシートをテープで貼り付ける。
なんだか雑な仕事で恐縮だが、とりあえず実験なのでご容赦を。革ケースから3cmばかり張り出して貼り付けるのがコツである。
これを以下のようにSX-70本体に取り付ける。
プロテクティヴシートを、SX-70の斜めの銘板とレンズ装着部の間に数ミリ挿し込むようにする。真横から見ると以下のようになる。
革ケースの開口部がSX-70のフィルム排出口を挟むように取り付ける。そして、左手でカメラを支える際に、人差し指と中指で、革ケースの下端部を押さえて固定する。
シャッターを切ると、フィルムは革ケースの内部に排出される。右手の指で上下から軽く押さえてケースを引き抜いて裏返すと、フィルムは以下のような状態で裏面の一部がケースから出ているはずだ。プロテクティヴシートを革ケースからはみ出す形で貼り付けるのは、このためである。
フィルムの端部を指で押して、ケースの中に落し込む。ケースの左右は縫製されて閉じられているので、撮影後のフィルムには、直接光も左右からの間接光も当たらない。また、もともと厚みのあるものを収納するためのケースなので、フィルム4枚程度は問題なく格納できる。
さて、肝心の結果だが、全く露出補正をかけなくても良い結果が得られた。前回、このフィルムを試した際には、若干アンダー気味に補正しないと、露出がオーバーになってしまうように思われたのだが、どうやらそれは、間接光によるカブリの影響だったようだ。フィルム面全体がシェードの脇から入る間接光に晒されてしまうのが原因だろう。
今回の方法を用いるとシェードの脇からの間接光は、ほぼ完全に遮断できるので、色乗りが明らかに改善されていた。以下に数枚の作例を示す。
淡い色彩ではあるが、全体的にコントラストが向上している。
注目すべきは暖色系、とりわけ赤の再現性が良くなっていることだ。このフィルムは、撮影後の遮光が不十分だと、赤の発色が低下して全体的に青っぽい仕上がりになるらしい。
かといって、寒色系の被写体は、それなりの表現となる。コンクリート打ち放しの壁も、白飛びしてはいない。
空の色も、前回と比較すると若干ではあるが色の濁りが少なくなっているようである。
もちろん屋内の人工光での撮影での結果も改善している。赤とオレンジとの区別がはっきりとしており、フィルムパッケージの色の再現性も向上しているようだ。
以上のように、お手軽な割には良好な結果が得られた。本当は、フィルムの遮光性能自体が向上するのが一番なのだが、ファーストバージョンがリリースされたばかりのPXフィルムでは、しばらく時間を要するだろう。それまでの間は、各自の創意工夫で試行錯誤してみるというのも、このフィルムとの付き合い方の一つだと思う。
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