普通に撮ったのでは、単にセピア調の寝ぼけた写真になるので、等倍接写アダプタを装着して身の回りの小物を撮影してみる。クロスの上に愛用の偏頭痛薬の銀色のパッケージ(これが何かわかる人は相当の頭痛持ちである)を並べてみたのが上の写真だ。中央部1/3は、うっすらと色が出ている。左上の隅は、現像液が行き渡らなかったようで黄土色になっている。
次に、グルーミング用の鋏などを撮影。未現像領域は左右上隅に現れている。なんとなくマン・レイのレイヨグラフィーが反転したような風情だ。
腕時計などを撮影。未現像部分はさらに拡大し、画面の半分近くを占める。ここまで来ると絵画のような印象である。
さて、これらの写真はパッケージ内の最後の三枚であるが、未現像部分が拡大しているのは、ストロボとフィルム排出モーターへの連続給電でバッテリーが次第に消耗しているのが原因だと推察される。なにしろ、ProCamは、スペクトラシリーズの中で、最も強力はストロボを備えているのだ。最後の一枚などは、やっとのことで排出されるという状態だった。
だが、逆に考えると、5年間も放置されたままになっていたフィルムパック内のバッテリーが、未だにストロボとモーターを駆動させるだけの容量を保っていたというのは驚異的だ。恐るべしポラパルスバッテリー。
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