1999年公開のOCSチップセット対応のメガデモだ。最初に"A500 DEMO"と表示されるのが何とも香ばしい。
と言うのも、AMIGAの製造元のCommodore社は1994年に倒産しており、旧世代マシンのA500はおろか、新世代型のA1200やA4000も、この時点では販売されていなかったからだ。
それでも、古き良き時代のマシンをプラットフォームにして、こうした作品を造るチームが存在したというのは、敬服に値する。当時のデモは、ほとんどが、重装備のIBM PC互換機上で動作するものになっていたことを考えると、たった880KBのFD一枚という極小のリソースの中で、よくもここまで凝ったグラフィックスとサウンドを実現したものだと思う。
けれども、あまたのAMIGAメガデモの例にもれず、内容は全く意味不明。訳のわからない形のブロックが、ざらついたうねりを背景に飛び回る。サウンドは、定番のミニマルテクノ風だ。
このあたりが、IBM PCのメガデモと、AMIGAのそれとの大きな違いではなかったかと思う。マシンパワーやメモリの観点からすると比較にならないほどの差があったにもかかわらず、ビジュアルのセンスという点では、後者に一日の長があった。(今はどうなっているのか知らないが)
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