Spaceballsの「DESTINATION UNKNOWN」。
このさっぱりとした清々しさが良い。短い作品で、派手さはないが、洗練されている。レガシーデモの後期のものだが、何というか枯れた魅力が感じられる。
この時代になるとメガデモも、こうした落ち着いた表現のものが多くなってきたように思う。この作品においても、冒頭で「量より質」と謳っているように、880KBのFD一枚の中で短いが凝集されたストイックなアニメーションが繰り広げられている。
色数を抑え、薄暗い空間の中で抽象的な形象が自在に動き回る様子は、これまた控えめなBGMと相俟って今見てもクールな印象だ。
まだイントロと呼ばれていた初期のデモは、マシンのグラフィックスとサウンド性能をどれだけ引き出せるかが勝負だったが、一通りのテクニックが確立されて以降は、敢えて控えめな表現を用い、センスの良さでアピールするようになった。この作品などは、その好例と言えるだろう。
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