The Electronics Knights(TEK)の「Rampage」。それにしても、このつるっ禿の東洋人風の仮面が何度観ても不気味で意味不明だ。そもそもMegademoに意味を求めるなどというのが野暮だが、夢に出てきそうな何とも言えない迫力があることは確かだ。
1994年の作品だから、奇しくもCommodore倒産の年である。当時は、既に、A500系以来のグラフィックス・カスタム・チップであるOCS(Original Chip Set)やECS(Enhanced Chip Set)は過去のものとなり、AGA(Advanced Graphics Architecture)がA1200やA4000に搭載されていたのだが、このデモのエンドタイトルでは、明確にAGAに対してNOを突きつけている。
確かに、A500時代のAMIGAが持っていた当時としてはずば抜けたグラフィックス性能と、それを用いた数々のアプリケーションやデモには目を見張るものがあったが、IBM系のPCのグラフィックスカードの性能向上により、AGAの登場にはさほどのインパクトを感じさせられなかったことも事実だ。
そうしたハードウェア環境の変化の中で、AGAを積極的に使うデモチームと、オリジナルのチップセットに拘り、その拘束の中でコーディングの粋を極めるチームとに二極分化していったように思う。そうしたことから、この作品は、数々の名作を生み出した反AGA派の「白鳥の歌」のようなものとも言えるだろう。
なお、この作品のムービーの半分近くを占めるエンドタイトルには、当時のアンダーグラウンド・サブカルチャーの勢いが感じられる。是非最後まで観てほしい。
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