Pinballdreams

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Megademoではないが、一頃、一部のマニアの間で流行ったピンボールシミュレータである。いくつかのボードが用意されていたが、このIGNITIONが一番気に入っていた。 デザインや仕掛けも凝っていたし、何より、このオープニングにあるようにBGMが最高だ。ちょっとフィルム・ノワール的な感じで、ジャンギャバンあたりが薄暗いパブで仲間を待ちながら派手にTILTしながらやっていると似合いそうな気がする。音質が今ひとつなのが残念だが、880KBのフロッピーディスク二枚にこれだけのプログラムとデータを詰め込むため、サウンドの帯域を切り詰めざるを得なかったのだろう。

因みに、ピンボールシミュレータは、コンピュータゲームの定番中の定番だが、このように画面がスクロールするタイプのものは、他に見た記憶がない。当時のローレゾ画面の中で、どうしたら迫力のあるシミュレーションが可能かを考えた結果、このようになったのだろうが、確かに秋葉原の雑居ビルの6階にあった某アミーガショップでこれをデモしていた時には、ついつい衝動買いをしてしまったものだ。 大体、アミーガを扱っているショップというのは、どことなく胡散臭いところが多く、「一見さんお断り」といった雰囲気のところが多かったように思う。初めて店内に足を踏み入れる時には、若干の勇気が必要だが、入ってしまえばなんのことはない普通のショップだ。プラットフォームのマシンがマシンだけに、店員さんも商品知識に詳しく、あれこれ教えてくれたものである。 これは上記とは別のショップでのことだが(こちらは、御茶ノ水のマンションの一室にあった)、買い求めに行ったソフトが品切れだったので、オーナーさんが持っているコピーを再度コピーしてくれてタダで貰って帰ってきたことすらあった。今時では考えられないような大らかさ(というか著作権法違反)であるが、そもそも、市場がミニマムなので、趣味を同じくする者同士の、ある種の連帯感があったように思う。

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