「Linus demo」。シンプルながらほのぼのとした気分を感じさせる。グラフィックは単純で、ブルーの背景に鉛筆で線描された人物とウサギのアニメーションだけである。背景に流れる「バルンバルン」という些か間の抜けたようなBGMが有名で、「バルンバルン」と呼ばれることが多かったように記憶している。
人物の台詞の部分には、フィルターがかかっているので、何を言っているのか判然とはしないが、全体的な語感と、途中から登場するウサギに対して、人物が「シェリー、シェリー」と呼びかけている(らしい)ところからして、フランスのチームのものではないかと思っている。
ストーリーの展開は、単純明快なので、敢えて台詞を入れなかったのだろう。登場人物が、異様に大きな鼻をしていること(因みに同国では、鼻が高くて大きいのは、どちらかというと劣等感として認識されることが多いそうだ)、文句を言ったと思うと突然上機嫌になったりして、感情の起伏が激しく感じられることからしても、そのような印象を受ける。
もっとも、これは、私が過去に出会ったフランス人達との付き合いの中で、感じ取った個人的な印象に基づくクリシェに過ぎないが。 いずれにせよ、コーディングの技術面では、ドイツや北欧のものに劣るとは言え、コンテンツで勝負というのが、いかにもフランス的だと思う。
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